文遊吟社 あの句この句
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10月課題「 秋 」の鑑賞 徒組の句、の批評。
講師は文遊吟社顧問 江藤一市さんにお願い致しました。
川柳好きの皆さんのお役に立てたら、嬉しいかぎり、 可福
佳句鑑賞( 上手いな〜〜) 入選句及び添削許可より
| コスモスの海に溺れている二人 竹とんぼ 情緒たっぷりの句ですね。寄り添ってコスモスの野を行く二人が見えるようです。 勿論相思相愛。 紅葉が渋滞誘う山の秋 可福 実感句の強み。くどくどと言葉を並べ立てなくても充分に解る句。私も先月中旬 久住に紅葉見物に出掛けましたが、大変な渋滞で難渋しました。 柿たわわ母はひとりで里に住む 若芽 故郷の旧家を守る母一人。都会に出た子供達の足は遠い。幼い頃はよくちぎった柿も、今は採る人も居ず、たわわに生ったまま。あたら烏の餌となっている。 宵聞にきんもくせいの自己主張 はじめ 金木犀の芳香は得も言われぬ陶酔境に誘い込みます。一説によると木 犀の香は性欲をそそるとか、従って刑務所の構内には絶対これを植えないと聞いたことがあります。 秋が来る度人生を考える 真田義子 人生の秋、何となく寂しい言葉ですね。季節の秋と人生の秋を巧く絡ませた奥深い句と拝見致しました。 食欲の秋に明日からダイエット @暇人 食欲とダイエットを組み合わせた句は多いのですが、この句は「明日から」というユーモアを利かせて一日延ばしの心情を抉っています。お見事です。 サヨナラと手を振るように散る紅葉 板垣孝志 昔から幼児の手を「もみじの手」とよく呼びます。はらはらと散る紅葉を、幼児が「バイバイ j と手を振るようだと捉えた慧眼には敬服しました。 何処をどう切っても青い秋の天 岡はるか 抜けるような秋の空とよく言われますが、何処まで青いのか底知れ ぬ群青色。例えジェット機に切り裂かれて二枚になっても暫くすれば又もとの一枚の青天井。実に気持の良い表現ですね。 針金が介添えをする菊花展 はじめ 菊つくりに針金は欠かせない材料の一つ。経験のない人には判らない事でしよう。整枝を助け、輪台として花弁の乱れを防ぐ、殊に懸崖作りには必需品です。これを介添えと温かし、言葉で表しである所に感じ入りました。 縄のれん秋刀魚焼く香で客を釣り 大谷三太 秋刀魚を焼く良い匂いに自然に足が向く屋台。経験された方も少なくないでしょう。勤め帰りの秋の夜の一杯、悪くないですね。 ふと思うこの味を知らない下戸は可哀そう。 秋風がこころの隙間吹き抜ける 春爺 軋む愛の間隙を吹き抜ける秋風(飽き風)寂しいですね。 車窓から歓声あがる渓谷美 古家冨佐子 観光旅行の団体? それとも家族揃つての紅葉狩り? 何れにしても車窓からの景観、食べ物も美味しい秋の旅行は良いですね。 秋の味一杯詰めて土瓶蒸し 大谷三太 松茸が此処まで匂いそう。メタボシンドロームには気をつけて・・・ コスモスを気ままに揺らし秋の風 原 風太郎 紺碧の空、白い雲、群生のコスモスの野を歩く。 本当にさわやかな秋風。吹く風も私も気まま秋桜 適齢期過ぎ夜長が寂しすぎ 闘句朗 婚期を過ぎた娘が秋の夜長を侘しく物思い。と想像するのは作者の年代のせい?。 当今の娘は案外シングルライフのゆとりを満喫してるかも? 引き止めたい秋足早に通り過ぎ 飛幡あや女 酷暑を耐え抜いて、やっと涼風にほっとしたのも束の間、もう朝 晩の風は冷たい。一年が春と秋だけならと思うが無理な事。あっという聞に通り過ぎる秋、せめてもう二三か月引き止めたい気持。誰も同じでしょう。 秋桜が揺れる氷河は何故溶ける お団子石 南極もヒマラヤも氷河が溶けていくという温暖化。炎暑に耐えたコ スモスと溶解する氷河との意外な組み合わせ、印象に残る句です。 秋風が吹いた二人に雨しとど @ 暇人 秋風は飽き風に通じる男女聞の愛情の亀裂に吹き込む風、時雨混じりの冷たい風となると、この愛の修復は不能か?。 エスプレッソ秋の夜長を独り占め 岡はるか 秋の夜長のつれづれに開く詩集。机上に置かれたエスプレッソそれもブルマンの芳香に包まれて味わう至福感。言う事のない生活環境が窺われます。 桐一葉転がる音を聞くテラス 板垣孝志 「桐一葉落ちて天下の秋を知る」と言う台詞を聞いた記憶があります。物思う秋に相応しい桐一葉ですね。 深呼吸出来ない秋も花粉症 五月猫 花粉症の不快感は罹患した人で無ければ解らないでしょうね口春だけでな く秋にも発症とはお気の毒。菊も木犀も駄目ですかねえ。 |
キャンパスいっぱい秋のパレット 15 音字です。リズム感はそんなに悪くはないのですが、破調というところが受け入れられなかったのかも ※・秋色いっぱいキャンパスから溢れ としてみました。 秋桜優しい気持取り戻す 上五がぷっつり切れているような感じがします。「コスモスに」「秋桜に」 とすれば、「コスモスの路に来て 」「秋桜の野に立って」 の省略の形として繋がりを感じられるようになりましょう。 後悔も嫉妬もなしよ秋だなあ 「なしよ」 は七音字に整えるための付け足しの感じを受けます。 ※・後悔も嫉妬も忘れさせる秋 ではどうでしょう。 白無垢の彼岸花映ゆ月明かり 句に感情動きが無いので俳句の感じ。 ※彼岸花の白に心を洗われる ビデオ手に静かな秋の運動会 下六の破調が気になります。静かなという形容言可は運動会には似つかわしくないですね。大抵運動会は賑やかなものですからね。 ※・運動会の秋パパのビデオも忙しい としてみました。 うたた寝の浪漫街道初もみじ 一寸意味が判り難いですね。紅葉狩りの途中車で転寝でもしたというのか? 浪漫街道とか初もみじとか口当たりの良い言葉に溺れた感じを受けます。 墓ひとつ彼岸の花が包みこむ 恐らく彼岸の供花が沢山上がっているということでしょうね。上五の「墓ひ とつ」という言葉で句がボケてしまった感じです。 「父の墓」とか「姉の墓 」とか「無縁墓」とかにきっちり決めて欲しいですね。そうすれば句が引き締まります。それから、彼岸には春・秋が有ります。単に彼岸と言えば、俳諧では春の彼岸を指します。(俳句では春の季語 ) 。 ※秋彼岸供花(くげ)に埋まる父の墓 こうしておきます。 温暖化無事に乗り越えサケ遡上 産卵のための鮭の遡上は秋なのでこれで良いのですが、「温暖化を乗り越え」に一寸違和感を覚えますね。 ※・温暖化の海乗り切った鮭遡上 ※・鮭遡上無事乗り越えたエルニーニヨ 冬の麻酔が待ち伏せている秋の陣 どういうことを詠もうとしているのかが読者に解り難いのでしょうね。私にも解りません。作者自身が納得して造ったのだから読者にも判る筈だという思い込みの句でしょうね 枯葉舞う中突っ走る救急車 枯葉は秋のものだという思い込みからの誤りです。四季を問わず枯葉は枯葉です。(俳句では冬の季語となっています) ※・秋時雨の中突っ走る救急車 としてみました。 スーパーに食欲そそる秋満載 下六ではリズム感が思わしくありません。 ※スーパーの食欲そそる秋の味 ※陳列の秋刀魚食欲そそり立て 爺ちゃんは物知りだねとしんちぢり しんちぢりは「新松子」と書く今年出来た松かさのことすが、普通余り使われない言葉なので皆さんに解らなかったのでしょうね。ロ「新松子」は俳句で秋の季語となっています。 足跡に人間エゴ秋の山 明らかな推敵不足。「人間の」で筒単に直る中六です。 と整っていれば佳句なのに惜しい事です。 初心なのか今年も木々が紅い葉に 紅葉で秋を表してあるのは良いのですが下五の連用止めで句が緩んでし まいました。止めは終止形か名詞の方がきっちりします。 『時によっては、句の余韻を残すために態々連用止めにすることもあります。又名詞止めは句が固まるからと極端に嫌う人もいます』 ※・秋風に葉が赤くなる木の初心※・初心なのか木々は葉っぱに紅を差す 外人も秋の宮島観光に 説明・報告句となっているので読んで後に何も残らない。 届かぬ辺り柘檎弾ける口酢感 口酢感という聞き慣れぬ語を読者が容れなかったので、しょうね |
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