文遊吟社 あの句この句     戻る
12月課題「 掃除 」の鑑賞 徒組の句、の批評。
講師は文遊吟社顧問 江藤一市さんにお願い致しました。
川柳好きの皆さんのお役に立てたら、嬉しいかぎり、  可福

佳句鑑賞( 上手いな〜〜) 入選句及び添削許可より  

50・母も箒も弾む娘の里帰り 植野華子 
孫を連れての里帰りをたのしみにまつははおやのきもちがわかります。
何よりも実感句の強さが感じられます。

16・年の順なら私の入る墓掃除 八嶋静波
老境に在る人の心を掴む句です。私もその独りなので心打たれます。墓掃除に行く度に思うことです。

14・落ち葉掃き落ち葉の愚痴を聞いてやる 穂々美
落ち葉の庭を掃く手を止めて心静かに耳を澄ませている優しい人の姿が浮 かんできます。一幅の絵を見る思い。

97・舞い落ちる紅葉を惜しむ竹箒 古屋冨佐子
風流の庭に佇む佳人を思わせます。

34・掃除機に追いかけられる日曜日 加藤 鰹
日曜日にあちこちと追い回される粗大ゴミ。『日曜日くらいゆっくりさせてくれえ』

3・片付いて居心地いいと鏡餅 飛幡あや女
煤掃きも済んだ。床の間の飾りつけも終わった。さあ正月よいらっしゃいと鏡餅。
35・物置の掃除捨てたい物ばかり 金盞花
何処も同じ何とやら。我が家の倉庫もがらくたが一杯、どこかに勿体無いの気持があってついつい・・・

19・本棚は触るな俺が掃除する 萩道半
本棚も机も整理は自分流。本の間にはへそくりも鎮座。近寄るな

21・清掃へいい汗流しボランティア なごみ

本当に良い心掛け。こんな人ばかりだったらどんなに暮らし易いことか。

86・友達が来ると綺麗な子供部屋 小さな光り

子供には子供なりのプライド。友達に汚い部屋は見せたくないですよね。

47・掃除してみれば案外広い部屋 野のはな

きっちり整理、さっぱり掃除、広いお部屋になりました。
廊下には出した不要品の山。

94・どぶ掃除救出された五円玉 板垣孝志

運の強い五円玉ですね。お守りにはなりませんかねえ。

92・掃除機の先に転がる無精髭 板垣孝志
無精髭を生やした粗大ゴミ。追立を食わせる掃除機の唸り。別間に退散の外なし

17・舗装路の根性花をよけて掃く はじめ
一生懸命生きようと頑張っている根性花をむざむざ掃き捨てる気にはなれませんね。きっと可愛い花が咲くことでしょう。

92・おじさんに感謝無人の駅掃除 泉桜子
やもすれば無人駅は不良学生の巣ともなり兼ねません。善意の奉仕で清掃してくれる人に感謝せねばなりませんね。私の所の駅もそうです。

72・期限切れも食べて冷蔵庫の掃除 原風太郎
冷蔵庫を綺麗にするのはいいがお腹をこわさないようになさいよ。

36・ホコリでは死なぬとついつい後回し 五月猫
汚れでは死なぬと五日も一週間も入浴しない風呂嫌いが居ます。本人はいいかもしれませんが、周りは迷惑。
それと同じ。よく問題になるゴミ屋敷も同じです。

83・鎮守様今年御礼の煤払い 大谷三太

「今年一年本当に有り難う御座いました。来年もどうぞよろしくお願いします」良い心掛け。来年もきっとご利益が有りますよ。

52・掃除するそばで新聞広げられ 野のはな
掃除する傍でタバコを燻らせながら新聞を読む夫『加勢しなくてもいいから邪魔しないで頂戴』と言いたくなりますね。


チョット一言( 「掃除」 作品批評)           
79・耳掃除して上け熟い止息入れ
「息を入れ」の方が口当たりが良いのでは?青息吐息とも言いますので、溜息を思わせます

60・役員は残り後片づけをする
報告だけでは読者の感興は呼べないでしょうね。
 
※・宴終わる幹事に残る後始末 「まだ飲み足りぬのにご苦労様」

12・学無くも挨拶掃除いい笑顔
挨拶の笑顔と掃除は関係が薄い。上五の「学無くて」は要らないのでは?
 
※・いい笑顔寮の小母さん綺麗好き

55・浮気発見便所掃除の刑を科す
浮気露見でしょうね。「科」=とが。「前科」「罪科」・「課」=仕事や任務を負わせる。「課税」「賦課」 
 ※・・浮気露見便所の掃除させられる

21・仏壇に御褒美貰い掃除する
順序が逆では?掃除をしたから褒美を貰ったのでは?これが仏壇に褒美を貰うだったら違和感は無いのですがね。褒美はお供えのお菓子でしょうね。
※・お掃除の済んだ仏壇から褒美

95・掃除機で庭のお掃除した息子
息子ですから掃除で良いでしよう。私はそんなに悪い句ではないと思います。私自身芝生を刈った後など掃除機を遣いませので・・・。
※・掃除機で庭の掃除もする息子
※・芝生刈った後掃除機で吸う枯葉


66・焼きもちかトイレ掃除を科せられる
嫉妬とトイレ掃除との関連性が今いち。
※・浮気の罰トイレ掃除をさせられる
※・浮気したお詫びトイレの掃除する


88・家事掃除しなくてもいい恋女房
掃除は家事の内に含まれますので重複になります。
※・恋女房家事もさせずに奉る

39・竹箒突き立て昔の武勇伝
中八には同調しない人が多いようです。老爺の姿が見えるようですね。
※・箒の手休め昔の武勇伝

22・箒持つ頑張る主婦の除夜の鐘
「持つ」「頑張る」と並ぶ終止形。主婦「の」除夜「の」と重なる「の」どうしても気になります。
※・大掃除ようやく済んだ除夜の鐘

93・口の中フリーズしてる歯のそうじ
フリーズ=@凍る・凍らせるA急に動けなくなる。句の意味が判らない人が多いのでしよう。

46・妻は夫の夫は妻の耳掃除
作者は良い気持でしょうが読者はそうでもなし。そして客観句なので全然迫力が無い

85・神様も悪人掃除に苦労する
神様もということは他にも苦労している人が居るということですね。可成の出来ですが今一息です。句に助詞がないと切れ切れの感じで口当たりの良くないものです。
※・神様も悪の掃除に苦労する  ※警察も神も苦労の悪掃除

44・ポイ捨てを黙って拾いゴミ箱へ
殆ど出来上がっているのですが「ゴミ箱へ」と結果まで言ってしまわない方が良いのです。「ああ、感心だなあ」という作者の思いを読者に想像させるように作るのが良いのです。
要するに読者の想像する余地を残すこと。これを句の余韻と言うのです。
江藤一市 氏 の川柳教室です。 
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 皆さんで、もっともっと川柳を楽しみましょう。 意見交換もしましょうよ。