文遊吟社 あの句この句     戻る
9月課題「 客 」の鑑賞 徒組の句、の批評。
講師は文遊吟社顧問 江藤一市さんにお願い致しました。
川柳好きの皆さんのお役に立てたら、嬉しいかぎり、  可福

佳句鑑賞( 上手いな〜〜) 入選句及び添削許可より  

14.千鳥足余計な客を連れてくる     鹿野 椿
 実に巧言ですね。
つけ馬を連れて帰って来たご主人に奥様がどう対応したのだろうと思うだけで愉快な句です。

63.不意の客あわてぬ母のあり合わせ  植野華子
 おばちゃんの知恵か?処世馴れした作者の蘊蓄か?無駄のない語句が句を引きしめています。

70.客の声お素直に聞いて伸びる店    若芽
 客商売の要諦でしょう。 店も素直、句も素直。 感じの良い句です。

17.母はもう居ない故郷客にされ      古屋冨佐子
 肉親の欠けた実家の隙間風、良くわかります。
男の私でも感じる事があるのですから。女性にとって母親の居ない実家は昔通りではないのでしょうね。

49.この客に茶はいらないという合図    伊塚 紅白
 客にも色々ですからね。目配せか指の合図か夫婦の連携プレイが見えるようです。

78.特売品群がる客に母もいる       土屋 成晃
 ベテラン主婦の家計切り盛り術、表現も上々。

22.結納を終えて笑顔のある客間      秀坊
 床の間の結納の品々に見入る家族の満ち足りた笑顔が浮かびます。 シャッターも何枚切ったことか

36.里帰り娘が客の顔で来る         平松由美江
 私の家も同様。実感句として共鳴します。

79.客も泣き父も泣いてる古写真       秀坊
 戦争中の写真か、それとも山の仲間か。 充分に想像を広げさせてくれる句です。


チョット一言( 「客」 作品批評) 

51.百円バスで行けるお店の客になる
 何のお店か?何を買いに行くのか?を限定すると句が強くなります。(客は要らない)
 ※・百円バスで行ける所の美容室  (客は要らない)

11.不意に来る客に困惑する私 
 (不意の客に困る私)の12音字済む話です。事柄の説明だけでは読者の興味を引きません。
  ※・茶菓子無い時に限って不意の客 私は無くても判ります。
  ※・取り敢えず粗茶で済ませる不意の客 

73.孫の客華やぐ空気あちこちに   
 終語の「あちこちに」で力が分散して句を弱くしてしまいました。
  ※・家の空気一変させた雛の客   ※・孫の客 流石に娘姦しい

45.お客様と呼ばれて何故か上を向く
 偉い人になった気ならそのように端的に表現するべきです。
 何故上を向くのかが曖昧では読者が納得できません。

42.客喰えば金が成るなり手が廻る
 言葉遊びの狂句仕立てです。 これでは現代の川柳作家には適用しません。
 ※・法の目を潜って客を鴨にする   ※・客喰った酬いを受ける檻の中

97.閑古鳥ママの溜息昔はね
 客足のの減ったバーの嘆きですね。 客を使わない作句法は中々のものです。
 ※・チーママに溜息吐かす閑古鳥 

90.暑い暑いといって帰らない夏の客
 7・8・5の不安定20音字で全くリズム破綻句です。 恐らく猛暑という困った客でしょうね。
   ※・母に手を添え紅葉の庭に佇つ   ※・母と見る庭木夕日が赤く染め

26.招き猫千客万来福を呼び
 招き猫の意味を説明したに過ぎない。
   ※・招き猫上等客を呼んでくれ 

13.そして過疎一品運動客の群れ
 前半の「そして」の意味が判らない。
   ※・村興し一品運動人を呼び   上出来ではないがこれなら判る。

60.わがままが過ぎる客でも腹が立つ
  わがままが過ぎる客、でも腹が立つと読むと言葉使いが少しおかしい。
   ではわがままを言わない客はということになる。 
  わがままが過ぎる、客でも腹が立つと読むと   ※・お客とはいえ我が侭の度が過ぎる
   読み手に親切な句にすれば理解されると思う。

102.客層が団塊世代を呼び戻す
  客層「が」という助詞がおかしい。 客層になら成り立つ
   ※・客層を団塊世代に絞り込む

24.富士の間に前と前前新総理 
  「富士の間」は作者の独り合点。 初めてなった総理を新総理、前の新総理とか前前とかは無い。
 一度辞めれば前または元総理と呼ぶ。
  可福援護射撃  (料亭に前と前前の総理と新総理で何か密会をしている)様子と読んだ。
   富士の間に前と前前、新総理と下5を新総理とすることにより、中7の変哲も無い「前と前前」が歴代の総理を想像させる。  富士の間は料亭を想像させるが解り憎い独り合点ではある。
江藤一市 氏 の川柳教室です。 
 ご意見ご感想は 世界の可福にメール するか 談話室に書き込みしてください。
 皆さんで、もっともっと川柳を楽しみましょう。 意見交換もしましょうよ。