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6月課題「 雨 」の鑑賞 徒組の句、の批評。
講師は文遊吟社顧問 江藤一市さんにお願い致しました。
川柳好きの皆さんのお役に立てたら、嬉しいかぎり、  可福

佳句鑑賞( 上手いな〜〜) 入選句及び添削許可より  

20・待った雨三日続いて愚痴となり  古俣きそ 

   待ちに待った雨でも、じとじとと三日も降られたら大抵うんざりですね。特に気温の高い時の蒸し暑さは堪りませんからね。

7・山車走る通り雨まで湯気となり  中栄真樹

  追い山ともなれば通り雨もまた勢い水となり山かきの汗と一緒に湯気となる。締め込み法被姿の博多っ子が見えるようです。

27・縄のれんやらずの雨が袖を引く  盛田友子 

  「もう帰るのかまだ早いもっと飲め」と引き止める友を応援するように降り出した雨も激しくなってきた。

64・通り雨音符が踊るトタン屋根  植野華子 

  トタン屋根を打つ雨音を音楽と捉えたということはそれだけ心にゆとりがあるという事でしょうね。
よく整った句です。

8・緑萌え風透き通る雨上がり  悠 滞 

  雨に洗われた若葉の輝きが見えるようです。  澄み切った空気も感じられます。

43・水溜り出来て嬉しい園児達  @暇人 

  「雨」は使わなくても雨上がりの永溜りにピチャピチャ遊ぶ園児の長靴が充分想像出来ます。
  素直なそして整った句です。

84・雨男誘ってくれぬ釣り仲間  土屋成晃

  良く有り勝ちな事例です。男女を問わず不思議に雨が着いて回る人がいます。
  往々にしてグループ旅行などで雨男・雨女と恨まれがちです。私も雨男とよく言われます。

29・青空の洗濯をするにわか雨  茶っ茶 

 夕立の一雨で埃っぼい空気を一掃してくれますね。「青空の洗濯」とは即妙の表現です。

73・営業の背広を濡らす棒グラフ  平松由美江

 例え雨に濡れてもセールスのノルマは達成せねばならぬのが宿命。即成績に響くから。
 外回り営業マンの悲哀。

52・スコールのように終わった夏の恋  加藤 鰹

 バッと燃え上がってスッと消え去るひと夏の恋。熱帯特有の驟雨のようなもの。
 後腐れが無くて良いかも知れませんね。

65・脱サラの畑に雨が味方する  野のはな 

 田舎と違って都会での畑作りは水利が大変ですよね。
 適当な雨は嬉しいもの。給水のホースを引っ張り回さなくて済みますからね。

4・相合傘濡れてる方が惚れている  石津笑子 

 昔の唄に『一人で差した傘ならば片袖濡れるはずがない』という粋な唄があります。
 『待ち合わせ惚れてる方が先に来る』と同じですね。

61・部屋干しの妻の下着を潜り抜け  風 子 

 状況は良く判ります。『ここに例外もあります。私の娘を嫁がせた先の姑は全くの昔気質で、女の下着は他のものと一緒に洗濯機に入れることを許さず、下着を戸外には干させませんでした』。


チョット一言( 「雨」 作品批評) 

32・ゴム長で駆けずりまわる幼き日 
 これで雨を表すのは少し無理です.子供の長靴は雨の日とは限りません.新しく買った時などは直ぐ履きたがります。

100・雨が好き口には出せぬ片想い 
 雨と片思いとの繋がりが今一息。   ※・私の胸に時雨れる片思い

42・蛙さん雨の報せに大合唱    
 下六でリズム不調。  ※・コーラスで雨を喜ぶ青蛙

35・雨ぞ降る秋刀魚と酒と焼く煙 
     ※・雨止まず酒と秋刀魚を焼く煙

105・雨音はゆりかごに降る子守唄
 ゆりかごを雨の中には出さないでしょう  ※・揺り篭へ子守唄とも雨の音(聞くを省略)

34・三日続きの雨紫陽花の色も冴え
 全くの推敲不足。上玉は「雨三日」とすれば整う。 ※・雨三日紫陽花の藍冴え渡る

103・艶然と笑う牡丹に皐月雨 
 「さつきあめ」より「さみだれ」の方が語感が優しいでしょうね。
   ※・五月雨に打たれ牡丹の可哀想  ※・満開の牡丹無情の雨に遭い

39・恋破れ雨が枕を濡らす夜 
 句柄からして「破れ」は強すぎる感じがします。
 枕は普通夜使うものですから重複気味に思われます。
  ※・恋去りぬ間蔵を濡らす涙雨  米・許されぬ想い断ち切る涙雨

63・セミ時雨れ緑残せと鳴いている 
  時雨れ「れ」は不要。「蝉しぐれ」と「鳴く」は重複。  ※・この緑残せと願う蝉時雨

109・ゲリラ豪雨街を揺るがす鬼が来る 
 「ゲリラ豪雨」「揺るがす」「鬼」と激しい言葉を並べてこれでもかと攻め立てると句がくどくなりすぎる感じがします。
  ※・浸水の危惧も篠突く雨となり  ※・豪雨 然天井が漏る兎小屋

72・宵闇の思いを切らす雨しとど 

 「宵闇の想い」が理解し難い。「宵闇」=陰暦16日から20日頃までの宵の内、月がまだ出ないで暗いこと。また、その頃。夕闇。     ※・遣る瀬無い思慕断ち切れぬ雨しとど

17・雨上がり黄色い傘がおれて帰す
  下五の「折れて帰す」南風見はわからないではないが、こんな言葉の遣い方は無い。
  文語と口語が混合している。
 ※・雨風に黄色い傘の骨が折れ  ※・雨風に黄色い傘を壊される
  先生!子供が傘を壊して帰って来たよ。と言いたいのだと思いますが? 可福

23・水瓶の肋雨乞いするかたち
  水源地の渇水の模様だと思いますが、水瓶はまちがいなく(ミズガメ)と読めますが(ミズビン)とも読んで別の言葉にもなります.この場合は、『水嚢』とかいた方が良いでしょう。
  ※・肋骨を見せて貯水池雨を待つ

36・梅雨最中腹に染み込む別れ酒  
 何となく句語の取り合わせが気になりますね。「別れ酒」という言葉は私の辞書には有りません.
 『未練酒』『ひとり酒』『二人酒』などは歌謡曲用造語です。
   ※・梅雨はまだ縁切りの酒胃に払みる

94・梅雨空に唄うしとしとお父さん  
 何を詠もうとしているのかはっきりしない.お父さんの歌が鬱陶しいということですかね。

5・雨模様しまった傘を持ってない 
  事実の説明だけになっている.これでは川柳にならない。 ※・断った傘に悔いあり降りだされ

江藤一市 氏 の川柳教室です。 
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