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10月課題「道」の鑑賞 徒組の句、の批評。
講師は文遊吟社顧問 江藤一市さんにお願い致しました。
川柳好きの皆さんのお役に立てたら、嬉しいかぎり、  可福

佳句鑑賞( 上手いな〜〜) 入選句及び添削許可より  

 3・回り道したなと笑う今がある   野のはな
 紆余曲折の末、辿り着いて現在の安定した境地。
 振り返れば、よくぞあの辛苦に、よくぞ耐えたと自分に誉めてやりたいほど。
 十七文字に盛り込まれた一篇のドラマを想起させる佳句。「笑う」という句語が効いている。

44・親の道 子は子の道を行くという  中ちょう
 大正生まれの古い頭では親の敷いたレールを逸れる子は親不孝者と極めつけ兼ねない。
 現在はそんな時世ではない、自立した子を極力応援するのが親の義務だと反省させられる句

25・花道に幾つも落ちている画鋲   かつお
 並々でなかった出世街道が推発される句。
 桧無台への道には落とし穴があるかもしれない。足許には充分ご注意を。

13・矢印はついてなかった分かれ道   眠り姫
人生の岐路で道標はなかったが、正しい道を選んだ貴女の理知。
じゅうぶんに想像を広げさせる句。簡潔で佳いですね。

103・生きる道寡黙な父の背を学ぶ  古俣 きそ
口数の少ない父の背にある処世訓。
正しい世渡りを示せるような父親になりたいですね。

65・穏やかな風旧道にに来て出逢い 古屋富佐子 
考えてみれば昔は良かったな。との思いが窺えます。
或る年齢以上の人は誰もがそう思うのではないでしょうか。巧みな表現法ですね。

41・腹割って離せば開く細い       柳茂
虚心坦懐と言う言葉がありますが、何事もお互い誠意を持って話し合えば問題は解決するものですよね。

20・後ろ指さされて道が狭くなる    相田柳峰
自分で世間を狭くしている日値も多い世相ですね。
 整形手術までして逃げ廻り結局は警察の手に。天道悪を許さずとか。

30・開き直ると道がだんだん見えてくる  欣多
窮極に立つた時のがれられぬと腹を据えて立ち向かうと意外に局面が開ける事がありますね。

33・振り向くと曲がりくねった道だった  余尽
思い返せば随分苦労をしたなという想いが伝わって来ます。紆余曲折の過去が窺えます。

69・花道もなく定年の名刺入れ     平松由美江
大企業ではありますがこつこつ30年を勤めた私にはこの句に同感しました。
定年の辞令を受けた時を思い出し深い感慨を覚えました。

48・道草は知らぬ子供の塾通い    盛田 友子
学歴社会の現代では受験地獄に苦しむ子供達も多いと聞く。
『ひばりの巣見付け揃って遅刻する』こんな時代に育った私です。

19・九十九折母の背中が道標     成晃
随分苦労なさったお母さんのようですね。もう背も丸くなったことかと、結婚相手を選ぶ時は「母親を見れば娘の育ちが分かる」といわれていますね。

106・この先も妻と歩ける道がある    羅漢
作者の幸せそうな顔が浮かびます。
結婚60年になる私はもうどうでもこうでも一緒に歩くより他ありません。

82・それぞれの道を歩んで同期会    備瀬ちゃくし
同級会だとして、集まった友のそれぞれの肩書き付きのバリバリの現役も居れば親の資産を受け継いだ風来坊の居る、政治家・実業家・官公使と様々な道を歩んでいますね。
久しぶりに会うと懐かしいものです。

52・コスモスの道で聖女になるわたし  楠根はるえ
秋風に揺れるコスモスの可愛さが作者を想像させます。清浄な心の持ち主でしょうね。

66・人の字の形で歩む老夫婦       はじめ
私達夫婦を詠まれたように思われました。
歩行も不自由になった私には寄り添ってもらわねば生きていけません。半人前の二人です。

78・ 散歩道挨拶だけの片思い      沢田正司
純情散歩道ですね。思い切って告白したら?新しい展開を見せるかもしれません。


チョット一言( 「道」 作品批評) 

6・道ならぬ恋がしたくて遠回り
何か「道」を無理矢理くっつけた感じ。遠回りだけでも道は表せる。
「道ならぬ恋がしたい」というのは感じの良いのもでないように思える。
※ 邪な恋に溺れた迷い道

10・道ならぬ恋から孫も曽孫もいる
現在は円満な家庭だが、そもそもは「道ならぬ恋」つまり不倫からということか?
「終わり良ければすべて良し」ということか?、只、18音字でリズム感が気になる。
下5を ※「孫もひぃ孫も」とすれば、リズムは整う。

101・だらだらの坂で家族の声がする
穏やかな課程のようですね。「だらだら」では「だらしがない」とも聞こえます。
※ ゆるやかな坂道下る家族の輪 ではどうでしょう。

5・朝帰り蜀の桟道踏み越えて
桟道は蜀道とも言い中国四川省にある要害の地、険阻な道路のこと。
余程山の神が強い野でしょうね。

64・シャンソンをハミングしてる散歩道
余程嬉しいことがあったようですね。
悪くない句と思うのですが共鳴してくれる人が少なかったようです。

84・明るい老後切り開く主夫の道
何となくリズム感が今イチの気がします
※ 主夫の道明るく歩く定年後 としたらどうでしょう

56・ミチオシエ今ごろ跳ぶか我が前を
ミチオシエは斑猫(ハンミョウ)のこと。夏虫なので、もう秋になったという感概でしょうね。 
下5の連用止めが今イチの感じ。   ※ 山道を季節はずれのミチオシエ   

110・君と見て回り道する早合点
私に逢いに来たと早合点したのですかね? 一寸早合点が解りにくいですね。

53・歩道橋みんなんが下を渡ってる
「みんなんが」恐らくミスプリントでしょうね。
折角歩道橋が作ってあるのに階段がいやで大勢の人が車道を横切る非常識を語る社会性のある句だと思いますが、皆さんに共鳴してもらえなかったのですね。

30・天神様の道です 睦む童歌
※手を繋ぐ天神様の細道だ  とすれば「睦む」「童歌」の説明は要らないでしょう

江藤一市 氏 の川柳教室です。 
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