例会 自由吟 互選     
2010.一泊吟行
防人の血も流れおり磯の釣り 浅原欣多 5
猫一匹出会わず島の昼下がり 楠根はるえ 4
埠頭釣り成果は問わぬ女連れ 萩 道半 3
酔いどれもまづはお寺で願いごと 楠根 2
ピーヒュルと僕を迎える島の鳥 酒井可福 1
船上で試行錯誤の句と死闘 千代八灯 1

2010.4月
見守っておこう敗者の去る背中 千代 八灯 5
逆境に強いわたしの笑い癖 楠根はるえ 4
少々のことは机上で済まそうか 浅原欣多 3
生きている伸びたわが爪陽にかざす 楠根 2
呆けている呆けは呆けなり道さぐる 楠根 2
馬鹿正直ざぶとん代わりに敷いている 浅原欣多 2
閃めきが夢追い人に駆りたてる 萩 道半 2
合掌の中にほっこり仏様 楠根はるえ 1
草一本取らぬ息子に非難され 勝原レモン 1
げんげ田も小川も消えて春悲し 勝原レモン 1
脳内も朝のトイレですっきりと 久保羅漢 1

2010.3月
小便に立てぬ無礼な長電話 酒井 可福 4
沸点を超えて男は脱皮する 浅原 欣多 3
酵母菌蔵全体に棲む銘酒 浅原欣多 2
一寸のこだわり五分のいのち売る 萩 道半 2
不良長寿言われるはずだ日々の酒 竹内酔仙 2
花手桶母の乳房がなつかしい 千代 八灯 2
気のふれし人迷いこみお茶をだす 勝原レモン 1
ふわふわとたんぽぽ子らの夢乗せて 久保羅漢 1
火の匂い秘めて和解へ歩きだす 千代 八灯 1
アルバムの此処まではまだいいムード 楠根はるえ 1
八月の雲ふわふわを許さない 楠根はるえ 1
書くことの苦手な指が打つメール 楠根はるえ 1

2010.2.28
味のある言葉をひょいと出す寡黙 萩  道半 5
男だから馬鹿で上等生きてやる 浅原 欣多 5
読みかけに挟んだ栞から欠伸 楠根 はるえ 4
ふところの石がこの頃脆くなる 萩  道半 3
近道を探し余計な汗拭う 酒井 可福 3
風の向き今日のスタンス変えてみる 冨永 紗智子 3
この部屋に何んで来たのかはひふへほ 久保 羅漢 3
恋は春ひとつ華でも咲かそうか 久保 羅漢 3
女とも親とも思う背をながす 弘 伽羅子 2
似てる児が生まれ女の瞳が揺れる 千代 八灯 2
なくても困りあっても困るお酒です 竹内 酔仙 2
終章の答え欲しい欲しくない 冨永 紗智子 2
胃の腑から下は余命に任すのみ 平川 店村 2
適量は独りの酒に決めている 浅原 欣多 2
掃き溜めに鶴で動悸が治まらぬ 千代 八灯 1
美人薄命どっこい生きているわたし 楠根 はるえ 1
奸計が見え見え揺れるかずら橋 平川 店村 1

 2010.01.31

腹いせに蹴る石もないそんな街 楠根 はるえ 5
枝葉末節男は太い幹である 萩  道半 3
誰も来ぬだろう玄関掃く日課 竹内 酔仙 3
引越せば昭和が又も消えてゆく 萩  道半 2
美しく老いて男にある誇り 千代 八灯 2
自尊心男の芯に置いている 浅原 欣多 2
大概の免疫力は持っている 浅原 欣多 2
参らねば神や仏も角を出す 酒井 可福 1
耐える事知って二十歳が芽吹きだす 千代 八灯 1
久々の由布楽しんだ登山靴 久保 羅漢 1
今という時間を止めたひとつの訃 楠根 はるえ 1
百均の品で誤魔化す誕生日 酒井 可福 1

2009.12.6

目頭にかくしきれない親ごころ 弘 伽羅子 6
一つ二つ脛に傷付け除夜の鐘 久保 羅漢 5
美女なんて何ぼのものよ紙おむつ 楠根 はるえ 5
おちょぼぐち男一人を背負い投げ 弘 伽羅子 3
最後の敵それは己と弁える 浅原 欣多 2
正論も胸に納めている勇気 千代 八灯 2
ゆっくりとメタボの秋が暮れて行く 浅原 欣多 2
軽く飲み後一軒が仇となる 酒井 可福 2
生かされて生きて幸せまだ飲める 竹内 酔仙 1
今さらを今からにする箍を締め 楠根 はるえ 1
本読みの控えめにする年の暮れ 酒井 可福 1

2009.11.1
妻の掌の苦労かけたという手相 萩  道半 4
青空に紅葉弾む登山靴 久保 羅漢 3
妻の後三歩さがって押すカート 竹内 酔仙 3
イニシャルが誰か忘れた古日記 浅原 欣多 3
影法師だけは味方でいてくれる 楠根 はるえ 3
鍬一つ大地をゆする音がする 酒井 可福 3
地の人とだじゃれ飛び交う道の駅 勝原 レモン 2
頂点に立って初めて知る不安 千代 八灯 2
人間は所詮天地の宿借りさ 萩  道半 1
渡らねば家に帰れぬ丸木橋 浅原 欣多 1
雑炊が心温めている師走 千代 八灯 1
真夜中の全焼となる水不足 飛幡 あや女 1

2009.9
やんわりと打たれた釘の効けること 浅原 欣多 5
出直しの白紙一枚重くする 萩  道半 3
これ以上下がれぬ線に立っている 萩  道半 2
雨の日は雨と過ごしている平和 千代 八灯 2
秋鯖を妻と分け合う夕の膳 千代 八灯 2
下積みの苦労に耐えた石丸い 楠根 はるえ 2
同姓同名カルテにもある上中下 飛幡 あや女 2
足跡が追いかけて来る日の?悟 千代 八灯 1
さんま焼く煙が何故か郷思う 酒井 可福 1


2009.06..21
路地裏の太鼓心を踊らせる 久保 羅漢 4
倦怠期ときどき投げる欠け茶碗 酒井 可福 3
ほころびを妻に預けて夫婦道 久保 羅漢 2
長生きの秘訣不満も腹八分 楠根 はるえ 2
団扇復活せめて我が家のエコライフ 植野 華子 2
捨てるもの捨てよと命刻む音 浅原 欣多 2
許すこと知って空まで澄んでくる 千代 八灯 2
新米握る一粒ずつの自己主張 萩  道半 1
不景気に首つる真似のご挨拶 酒井 可福 1
空梅雨にカエルも空を気にかける 酒井 可福 1
無責任孫のいたずら見ないふり 植野 華子 1
脳死とや生体移植神のA 萩  道半
モノクロの思慕が芽を出素梅雨晴れ間 楠根 はるえ
夕焼けを背中に男夕焼ける 浅原 欣多
順風満帆心の窓を開けはなつ 千代 八灯
逢うときはいつでも雨になる二人
2009.05.17
責任は他人の背中に乗せて置く 酒井 可福 5
背を向ける男へ風は容赦ない 萩  道半 4
イリコいっぱい嫁のいぬ間のわたし流 弘 伽羅子 3
善人の顔してぽんと旅土産 久保 羅漢 3
八方破れ天元に置く第一手 浅原 欣多 1
傷心を優しく包む山の宿 楠根 はるえ 1
一杯二杯今日も楽しむビール腹 久保 羅漢 1
上天気シワシミタルミ屁のカッパ 弘 伽羅子 1
出席に丸それからのダイエット 楠根 はるえ 1
疑心暗鬼今日の火種を胸に秘め 千代 八灯 1
字画変更明日の私を変えたくて 千代 八灯 1
もう一歩押せずに男雑魚のまま 萩  道半 1
ヘソクリが貯まった頃に妻のカン 浅原 欣多 1
訓練のマウスツウマウスに照れる 弘 伽羅子
大切にしない男の意地一つ 酒井 可福
五歳児もメタボ対策今模様 楠 勝

うしろから他人の顔で抱きついた
色男好きだと言って泣いている
天高しみれば見るほどビール腹
五月晴雑魚いっぱいんの明日の夢
春の夜のビールの泡にある疑惑
今夜ならすっぽんぽんに夜が明ける
うしろからお腹たたいて死にいそぎ
どんよりと他人の顔で抱きついた
こんにちは好きだと言って生きている
良く見れば飛んでいきたい泣いている
色男ゆられ揺れて屁のカッパ
石頭女一人の路地裏で
いい男夢が広がる抱いている
2009.04.19
生も死も小さきことよ大落暉 萩  道半 4
ためらい傷生きていたいと手が震え 千代 八灯 4
ファイナルアンサ男のけじめ賭けている 萩  道半 3
聖戦と昭和も聞いた日の記憶 浅原 欣多 3
親が泣く子が無く春のおきみやげ 弘 伽羅子 3
長電話亭主がすると腹が立つ 飛幡 あや女 2
ドブ川の鯉を知らずに誉めている 酒井 可福 2
企業機密蟻の一穴から漏れる 浅原 欣多 1
春日和母と歩いた蓮華道 植野 華子 1
来るkない宵から冷えているグラス 弘 伽羅子 1
善人の顔して一人ちびちびと 久保 羅漢 1
ざわざわとハローワークへ人の波 久保 羅漢 1
筋一本通した話無駄がない 萩  道半
二人いてテレビ相手のティータイム 楠根 はるえ
わたしかて二つや三つ艶話 楠根 はるえ
余憤まだ消えぬ震えを胸に占め 千代 八灯
あんただれ痴呆検査が始まるよ 楠勝
別腹を縫い上げしたい思いきり 飛幡 あや女
春ですよ生真面目すぎる案山子くん 酒井 可福
桜散るほ々笑み返しごあいさつ 植野 華子
2009.01.25
謹みて三日坊主の初日記 伽羅子(桜子) 3
おでんぐつぐつ幸せを煮る冬を煮る はるか(はるえ) 3
君子豹変今日はハイドで夜の底 風太郎(欣多) 3
最初はグーあいこが続く平和な世 はるか(はるえ) 3
昭和残像母の笑顔が輪の中に 亀八(八灯) 2
冬枯れの貝になりたい日が続く とり助(道半) 2
不況風読めぬあわれな風見鶏 可福 2
つかの間の積雪古希の胸はずむ あや女(綾子) 2
そっとそーっと君のうなじを目で触れる 伽羅子(桜子) 2
道しるべそっと照らした父でした 亀八(八灯) 1
晩年をストレス捨てて生きる術 亀八(八灯) 1
がんこさもちょっぴり陰で思いやり あや女(綾子) 1
フォークギターと歌い青春蘇る 羅漢(修二) 1
大根の白なにがなんでも風呂にする とり助(道半)
お笑いの男も陰で独り泣く 可福
日本語の人妻なんと魅力的 風太郎(欣多)
おっぱいを飲ませしあわせ抱きしめる 羅漢(修二)
2008.12.14
顔も手も母に似てきた六十路坂 植野 華子 3
円満の秘訣を強いる咽仏 岡 はるか   3
夫くつろぐ天の陽の有り難き 泉  桜子 3
独り者テレビに返事して元気 植野 華子 2
走ろうか次を待とうかバスが見え 酒井 可福 2
悲哀少し奥歯に噛んで今の貌 萩  道半 2
人肌をさされ一会に酔うている 萩  道半 2
生きている自覚背骨は真っ直ぐに 原 風太郎 2
疑惑まだ心に残る不信感 I屋 亀八 2
ようやるなぁ優先席にギャルの群れ 泉  桜子 1
初雪にまず思い出す起業祭 原 風太郎 1
検査日まで妻が付けさす万歩計 久保 羅漢 1
老母を看る きっとわたしは聞き上手 岡 はるか  
銅メダルまたも舞い込むドーピング 酒井 可福
九分九厘あとの一厘神任せ I屋 亀八
寝て待てと言われて待ってもう六十路 I屋 亀八
米国発また変動の世界地図 久保 羅漢
2008.11.30
杯を重ねて本音?を切る I屋 亀八 5
遠い日の夢をテレビにくすぐられ 原 風太郎 3
摺り流す肝鮟鱇が喋り出す 萩  道半 3
枯葉踏む音も嬉しい快復期 岡 はるか   3
欲は山ほど声もひそめるスクワット 泉  桜子 2
セクハラもチカンもされる内が花 岡 はるか   2
不用意な嘘が重たく胃に残る I屋 亀八 2
傍観者の舌は本音を突いてくる 泉  桜子 2
還暦を叱りに亡母が夢に出る 植野 華子 1
九回の裏は静かに風を待つ I屋 亀八 1
やり残したことは無いかとねずみ年 久保 羅漢 1
うさぎ追いしあの日の友の訃が届く
三億円宝当様に掌を合わす 久保 羅漢
バナナ二本妻の叱咤に痩せ細る 萩  道半
なんとなくこの飯まずいとも言えず 萩  道半
長寿とや課税次第の生きごこち 泉  桜子
片付けた財布忘れて探し出す 酒井 可福
川柳を想うと頭白くなる 植野 華子
年末の便り友から来る喪中 酒井 可福
自  由  吟
目秤で生きるすべでは母譲り 桜子 4
一日の優さ酒までもそっぽ向く 風太郎 4
名人戦羽生も震える勝負の手 羅漢 2
酒いろいろ小皿を叩くことはない 風太郎 2
目障りな局が恋の邪魔をする 可福 2
野ざらしの男が残す草いきれ 道半 2
目線少し下げると楽になるらしい はるか 2
生命線に揺すりをかける血糖値 はるか 2
俺は亀晩成狙う策がある 亀八 1
老いの感歯茎に頼るゆで加減 可福 1
究極は花散るごとく吹くごとく 道半 1
報道は自由死に神にGOサイン 羅漢 1
八月忌こんなに白い握り飯 亀八
    挙動不審言い損ないも恋最中 桜子
自  由  吟 ポイント
幸せのレシピ老母の笑い声 岡 はるか
まだ生きるプライド底を尽いている 萩 道半
身辺整理妻に残せぬ物を焼く 鶴家 亀八
かき消えた記憶にさえも笑んでいる 泉  桜子
十を知り一に還って又生きる 原 風太
言い訳は無用朝餉のトコロ天 原 風太
愛と夢追いかけどこまでも女 岡 はるか
戦中派弁当蓋から食べている        鶴家 亀八
久しぶり訛喋らす夏祭り 久保 羅漢
あれやこれやお疲れ様の終電車 久保 羅漢
遊ぶ気で仕事休めば雨が降る 酒井 可福
日進月歩後ろ振り向く暇がない 鶴家 亀八
回転寿司食い放題はガリとお茶 酒井 可福
ピンボケはカメラのせいじゃない記憶 萩 道半
サッカーの観戦足は椅子を蹴る 酒井 可福
以上にも以下にもなれぬ女の訃 岡 はるか
   自  由  吟 ポイント
毒舌も愛のあかしと悟るまで こちょう 乱
簡ビールプシュット一日が終わる 竹 とんぼ
言いふくめ煮ふくめ豆のふくれっ面 泉  桜子
血の絆を裂く一枚の遺言書 岡 はるか
三月の風が私をそそのかす 鶴家 亀八
花の下呵々大笑の羅漢たち 竹 とんぼ
もう許す事にしようとわだかまり 鶴家 亀八
日々元気齢を忘れている化粧 泉  桜子
さくらハラハラ思いのままに翔んでみる こちょう乱
脱皮した男の背中がまだ蒼い 萩 道半
赤とんぼあの日天まで行ったきり 岡 はるか
待ちわびるパッチワークは千の針 泉  桜子
帰郷する娘に愚痴る妻の笑み 酒井 可福
やって来た春にゆらゆら恋ごころ 久保 羅漢
時間切れペンは握ってみたものの 酒井 可福
きざみ葱ほどの値打ちで妻の位置 泉  桜子
一本の生命そろそろ走り切る 萩 道半
闘いを止めて咀嚼の数が増え 原 風太郎
 自  由  吟
いい汗のまわりに何時も笑い声 羅漢
遺書ひとつ懐にあり茶がうまい はるか
職退いてのんびり動く腕時計 はるか
寂しさも良し菜の花が味方なら 道半
四捨五入そこらあたりにある本音 風太郎
翔びたくてまた翔びたくて若い汗 亀八
福耳を貧乏神が又かじる 可福
朴納でありたしさらにとつとつと 道半
いい風を演じた裏にあるドラマ こちょう乱
(他の川柳大会にて勝負中につき 後日発表) 竹 とんぼ
分別があるから政治家にはなれぬ 風太郎
ほどほどの幸せあかい薔薇ひらく こちょう乱
(他の川柳大会にて勝負中につき 後日発表) 竹 とんぼ
 自  由  吟 ポイント
一番の敵がわたしを好きと言う 岡  はるか
子の心斯程に乾く昼の闇 萩  道半
身の丈に合わぬ望みを追って冬 岡  はるか
朗報に季節外れの春がくる 飛幡 あや女
残像を追ってむなしい風の駅 竹  とんぼ
酔って候 元旦の朝ポチ連れて 鶴家 亀八
老いが来るぞー両手を広げ通せんぼ 飛幡 あや女
若者と唄うわたしに歌がない 竹  とんぼ
煩悩へおとこ寒夜の膝を抱く 萩  道半
好かれずも男嫌われてはならぬ 竹  とんぼ
ときめかぬ通り過ぎてく老いの坂 飛幡 あや女
振り返るたびに追ってくる浄土 岡  はるか
勇退は無い団塊の意地   (七 七 句) 酒井 可福
ゆらゆらと水が囁くきらきらと
一年の答え出てくる十二月
秋祭り僕も舞います神楽舞
手の平が一番栄える男舞
天国も地獄の知って山に入る
温故知新いってきました明治村
はんなりとさせて欺く指相撲
スタミナも気力も減ったダイエット
  自  由  吟 ポイント
  わがままを笑って許す人といる こちょう乱
さよならの言葉に秘めた愛その他  とんぼ
こんな夜は恋の謎解きでもしよう  とんぼ
滑落の夢に友の名呼んで起き 可 福
薔薇が咲く私の鬱も知らないで 桜 子
いつまでも野菊は少女楚々と咲く とんぼ
鮟鱇が二人でつつく貌になる 道半
こんないい夜の満月 端を折る 風太郎
青春の三つ四つ恋のトランポリン 桜子
無精でも優しい顔の目が綺麗 可福
春の鬱死ねよ死ねよと責めて来る 亀八
ふるさとの鍋を囲ます木守柿 羅漢
学校のチャイムもほっと日曜日 あや女
いとしやな月の小面を抱きたし 風太郎
青虫もうちの大根好きらしい 桜子
夕映えに何をか言わん刻きざむ こちょう乱
何となく言えないんだよこの言葉 こちょう乱
ストレスを抱いて男の四面楚歌
ゆっくりと休めや雨の日曜日
手の平で舞った男は五六人
再入院友の空席春を待つ
なつかしや褌履く頃のわが青春
  自  由  吟
夫の背に喜怒哀楽が滲み出る 可福
いつか一人そんな想いの肩を抱き 道半
いい酒だ本音が肩を叩き合い 風太郎
散骨もいいな珊瑚の海ならば とんぼ
振り返っているのか過疎の木守柿 羅 漢
定年後まだ仂けと秋の風 あや女
秋深し孤高の座とてコップ酒 風太郎
煽てられ食事の支度僕がする 可福
ふんぎりや木のてっぺんは子に譲る とんぼ
祝儀袋の出番少なくなって老い あや女
子の竿に海釣り上げた喜びよう 道 半
軽い嘘並べて秋の夜が長いる はるか
口にする辛さを笑う冬木立
半人前どうしで末永く夫婦
広告は呼ぶ阿蘇に湯布紅葉狩り
自  由  吟
  甘いとは言わせぬ愛の塩加減 とんぼ
空は青何はともあれ鍬を持つ 桜 子
遺されて五枚鞐が子を育て 竹 帛
娘が帰省親の尻尾を食べに来る 鶴 八
金だけは自分で稼げ息子達 羅 漢
台風一過栗の無念を籠に盛る 桜 子
悠久のリズムは朝のトイレから 風太郎
天高く茶髪まじって相撲部屋 あや女
明あかと点して満たぬひとりの灯 とんぼ
秋だねぇーポチも夕日を見つめてる あや女
陶然と酔うて候秋の月 道 半
世間体気にして嘘が多くなる はるか
冥王星は毅然今夜もきらきらと 羅 漢
身辺整理いつかわたしもシャボン玉  はるか
未来ちらちら夢を覗いた風見鶏
赤鬼青鬼なお生きんかな羅生門
我が孫をご学友にと産んでおけ
クイッククイックスロー男の汗を意識する
日銀の総裁嵩が知れた人
小さな福見舞の花の封筒に
自  由  吟
  虫すだく鬼哭啾啾母だろう とんぼ
試行錯誤明日の風を待って見る 鶴 八
あくまでも四角漢は一徹に 風太郎
憎まれ口をたたいて祖母は矍鑠と こちょう乱
感動の延長戦に夏滾る 道 半
旅に出る決断一つ道連れに とんぼ
絶唱の快感蝉はポトリと大悟する 道半
自由とはこんなものです晝の酒 こちょう乱
Uターンの子に空けておく母の部屋 鶴 八
亡兄二人越えて明日は誕生日 羅 漢
げんまんの指少年老いやすく 風太郎
立ち止まるゆるり老いたる今なれば 桜 子
青いハンカチまだまだつづく甲子園
名物と知らずに逝った父哀れ
縫合の指を捧げて深い息
寄る年波私あなたにさからわず
  自  由  吟
きのうきょう正攻法で生きている
我慢ほどほど暑さ寒さに鈍くなる
いいこ事もあるよと赤いバラが咲く
詫びしさはひとり男の焼くさんま
追い風を良しとはしない漢(おとこ)の背
分別に今日のカラスが温和しい
診療券どっさり持って老い安堵
このあたり自作自演をやめにする
翌朝は夜空の華もゴミ無情
梅雨明けをまってましたと油蝉
一杯が二杯ついつい縄のれん
八月の空が真っ赤に終戦記
自  由  吟
  若かった日の夢ばかり蕎麦枕 一市
カーネーションを眺めて母の日を独り はるえ
わが柳友(とも)の腫瘍が消えたわらび狩り とり助
繰り言を半眼で聞く膝の猫
診察券どっさりもって老い安堵
SAMURAIになろう死に場所決めている
煮しめセット罪悪感を茹でこぼす
冬ソナを毎回歌うこの根気
夫婦ケンカ犬も互いへしっぽふる
豆腐漬して定番の汁ふたり
熟年離婚退職金が走り出す
恙無く生きて順調なる病後
忙しいから電話は駄目と三才児
フリータ無職と違う汗をかく
自  由  吟
明かあかと点して満たぬひとりの灯
自由とは退屈なもの茶を啜る
ピーピーッピー脳内回路赤信号
人ひとり生きるに足りるダンボール
逢い別れいくつ重ねて咲く桜
吟友のおかげ月いち大掃除
おもちゃ箱ころころころと子の未来
七草をいつもの庭のせりなずな
渡哲也に少し頭を似せてみる
悲しみに合わず歩ける道がない
ばあちゃんが行く でも逆イナバウア
七草を数えて孫の顎の粥
すぐめげる わたし耐震欠けている
カネ一つ演技に拍手のど自慢
熟年夫婦空気ください紙コップ
冬ざれやわたしを癒す星ひとつ
細木和子嵌まり現在過去未来
合い別れいくつ重ねてきたさくら
カネ一つ演技に拍手のど自慢